赤ら顔について
心の動きやお酒を飲むことで顔が赤くなることは、誰でもあります。しかし、それは一時的なもので、時が過ぎれば収まっていきます。
「赤ら顔」は、顔が赤くなる状態がつづくことをいいます。原因として、以下のようなことが考えられます。
赤ら顔の原因
慢性的な炎症
- ニキビ
- 脂漏性皮膚炎
- 酒さ
- 酒さ様皮膚炎
- 乾燥、過剰な皮脂による刺激
- 花粉皮膚炎や日光皮膚炎、化粧品などのアレルギー性皮膚炎
など
毛細血管拡張症
真皮層の比較的浅い部分で、毛細血管が拡張している状態をいいます。炎症は伴いません。原因ははっきりとはわかっていませんが、妊娠中など、比較的女性に多く認められることから、女性ホルモンが関係しているとも考えられます。
また、生まれつき皮膚が薄い場合や、加齢によって皮膚が薄くなった場合、血管が透けてみえやすくなることも考えられます。
酒さについて
「赤ら顔」の代表的な疾患に、「酒さ」があります。原因ははっきりとはわかっていませんが、その病態は、顔面中央部の紅斑を特徴とする慢性炎症疾患です。紅斑のほかに丘疹、膿疱などがみられます。 主な症状としては、ほてり感、チクチク感、熱感、皮膚の乾燥、顔のむくみ(浮腫)などがあり、周期的に増悪します。他種類の炎症と合併することがあるので、花粉皮膚炎、脂漏性皮膚炎、化粧品等との接触性皮膚炎などにも注意が必要です。
主な病型
紅斑血管拡張型、丘疹膿疱型、鼻瘤型、眼型
悪化因子
寒暖差・温度差、紫外線、激しい運動、季節変動、ストレス、花粉、アルコール、月経周期、風や湿気、香辛料や熱い食事など
治療
悪化因子の回避とスキンケアが大切です。
- 紅斑血管拡張型・・・光治療(IPL)、レーザー治療など
当院では、光治療器としてルメッカを採用しており、紅斑血管拡張型の赤みに対して効果を発揮します。 - 丘疹膿疱型・・・メトロニダゾール(2022年5月保険適用)やアザライン酸の外用、ドキシサイクリンの内服など
- 鼻瘤型・・・アブレージョン
- 眼型・・・ステロイドや抗菌薬点眼など
当院の治療法
LUMECCA (ルメッカ)
ルメッカは、光治療器=IPL(Intense Pulsed Light)です。レーザー大国、イスラエルで開発された最先端の機械になります。 最先端とされる理由は、メラニン色素等に作用する波長光線域の違いにあります。
- 多くのフォトフェイシャル治療機器(M22など)では、やや長めの波長光線域に照射が集中しやすく、メラニンやヘモグロビン等に最も有効とされる500〜600ナノメートルの波長光線域は、わずか15%程度の照射効率にとどまります。これに対してルメッカは、同じ波長光線域で40%まで照射効率が高まります。
そのため、通常のIPLよりもハイパワーで、1回あたりの治療効果が高いものになっています。目安として、通常5回の治療を要するところ、3回程度の少ない治療回数で症状改善に導きます。 - 隠れたシミ、今まで反応しなかった薄いシミに対しても、効果を発揮します。さらに、赤みに対しての治療が同時にできるという特長があります。お顔の色むらや酒さによる赤み、ニキビ跡の炎症後紅斑などが改善されます。毛細血管拡張の治療を通じて、シミの再発を予防する効果もあります。
- 光と熱の作用によりコラーゲン線維やエラスチンの再生が促されるため、肌全体に若返り作用をもたらし、開いた毛穴を改善します。
その他の特長
- パルス幅(パルス幅とは光の照射時間)が他のIPLよりも短いため、ピンポイントでターゲットを狙った治療が可能です。
- 強力なクーリングシステムが搭載され、施術中の痛みが軽減されます。
- ハンドピースが大きく、少ない照射回数で治療可能です。
効果
- しみ、雀卵斑
- 赤ら顔、酒さ、ニキビ跡の赤み
- お肌の若返り
料金
税込(円) | |
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全顔 |
29,700円/回 |
両手背 | 22,000円/回 |
SPECTRA (スペクトラ)
532nm(KTPレーザー)と1064nm(Nd:YAGレーザー)の2種類のショートパルス(短波長)を搭載しており、しみ、あざ、刺青の除去などに使います。 1064nmの波長はお肌の深い部分までレーザーが届きますので、従来レーザー治療が難しかった深い部分のしみやあざに対応できるようになりました。 一方、532nmの波長は、表皮に作用してメラニン色素の沈着を弱める作用があります。Qスイッチとは、非常に短い時間のパルスを発生させる仕組みで、弱い出力でもその出力の数倍に上る効果を発揮することができます。SPECTRAは、Qスイッチレーザーの中でも照射時間が短く、高いピークパワーを持つため、周囲組織への熱ダメージを防ぎ安定した治療効果と安全な施術を両立します。 また、レーザートーニングの機能が搭載されており、低出力でありながら、適切に照射することで肝斑治療に効力を発揮します。 しっかりした表皮のしみには、照射範囲を絞り込んでピンポイントで患部にだけレーザー光を照射することができます。 ロングパルスレーザー(msec)も搭載しており、真皮のコラーゲン生成を活性化します。しみの他に毛穴やにきび痕などの美肌治療に使用することでき、これらを同時に施術することも可能です。
表在性色素斑 532㎚ | 老人性色素斑(しみ)・雀卵斑・扁平母斑・脂漏性角化症など |
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深在性色素斑 1064㎚ | ADM後天性真皮メラノサイトソーシス・太田母斑など(保険適応外) |
トーニング | 肝斑・PIH(色素沈着)治癒促進 |
美白・肌質改善レーザー | よりしっかりとレーザーを照射することでお肌のシミ治療、トーンアップをはかります。 ロングパルス(msec)Nd:YAGレーザを照射することもでき、お肌の肌質改善、毛穴やにきび痕などの美肌治療を行います。 美白と肌質改善レーザーを同時に施術することも可能です。 |
施術後のご注意点
表在性・深在性しみスポットレーザー
施術後は、患部の保護のためのテープを貼っていただきます。このテープをつけたまま施術当日から洗顔や入浴が可能です。治療前後は日中はしっかりと日焼け止めを塗っていただき、また保湿も十分に行ってください。
施術後患部にかさぶたができてきます。このかさぶたを無理に剥がすと跡になったりしますので、保護テープを貼って、自然に剥がれるのをお待ちください。
かさぶたがはがれるまで、個人差はありますが、およそ7~14日程度かかります。
トーニング、美白・肌質改善レーザー
施術後はすぐにお化粧をしていただくことができます。 日中はしっかりと日焼け止めを塗っていただき、また保湿も十分に行ってください。 治療間隔は2~4週間毎です。
ケアシス
45℃から-20℃まで調節しながら、高分子の薬剤を導入できる「クライオエレクトロポレーションシステム」を採用しています。エレクトロポレーションとは短い電気パルスを流すことにより、数秒〜数分間角質細胞の細胞膜に電気的な「穴」を開けた状態にし、その時間内に薬剤を肌の奥まで導入する治療です。
痛みは治療後の赤みなどのダウンタイムがありません。また、従来のエレクトロポレーションと比べ、冷却を加えることで血管が収縮し、導入した薬剤が皮膚に長時間止まるため、効果をさらに発揮できます。
エレクトロポレーションでは角質の隙間を通って浸透していた薬剤が直接「穴」を通って浸透していくため、イオン導入の約20倍の量を、また高分子のため浸透させにくかった薬剤を針で注射することなく導入できます。
当院では、神経幹細胞から抽出された7つの成長因子とペプチド、塗るボトックスと呼ばれているアルジルリン、抗酸化剤であるイデベノンを含んだ薬剤や、肝斑の治療に効果があるトラネキサム酸を含んだ薬剤を導入します。
レーザー後の鎮静や、ほかの治療と併用することで相乗効果があります。