こんな症状ありませんか?
眼瞼下垂は上眼瞼挙筋を中心とする、上まぶたを開く筋肉の力が弱まって、まぶたを開けにくくなってしまった状態です。よくある症状としては、以下のようなものが挙げられます。もし、当てはまる項目が多ければ、眼瞼下垂の可能性がありますので、当院までご相談ください。
- まぶたが重くなってきた
- おでこに横向きのしわがよってきた
- 左右の目の大きさが異なってきた、目が小さくなってきた
- 上まぶたにくぼみができた
- 一重だったまぶたが二重になった
- 目の疲れがひどくなってきた
- ものを見る時にあごをあげるようになった
- 肩こりや片頭痛がひどくなってきた
- 目をよくこするくせがある
- 毎日パソコンを長時間つかっている
- ハードコンタクトレンズをつかっている
セルフチェック法
- 顔をまっすぐ正面に向けて、両手の人差し指で左右それぞれの眉の付け根の少し上にある眉骨を押さえます
- 眉骨を押さえたまま目を閉じます
- そのまま目を開けます
このとき、目が開かなかったり、開くときに力がはいってしまったりするような場合は眼瞼下垂の可能性があります。
すぐに専門医にご相談ください。
眼瞼下垂の日帰り手術
当院では形成外科専門医が眼瞼下垂の手術を行っております。健康保険内で受けられるものから、見た目にこだわった自費診療まで患者様のご要望に合わせた治療を提案いたします。
挙筋短縮術
眼瞼下垂は薬物療法では治せないため、基本的に外科手術によることになります。手術方法にはいくつかの選択肢がありますが、そのうちで最も一般的で有効性が高いのが挙筋短縮術です。挙筋短縮術は挙筋前転術ということもあります。
上まぶたを切開し、挙筋腱膜を露出して一部切除し、瞼板に縫い付けることで、緩んでいる上眼瞼挙筋の張りを取り戻すようにする術式です。二重まぶたのある方はそのラインに合わせるように切開します。
加齢性の眼瞼下垂で、まぶたが大きくたるんでいる方や、まぶたに脂肪分が多い方の場合は、この手術とともに、たるんだまぶたの皮膚や余分な脂肪分を切除しますので、上まぶたがすっきりとします。
術後は二重まぶたのラインをしっかりとデザインして縫合しますので、手術痕は二重のラインに隠れて目立たなくなります。
術後の経過
まぶたは、小さな部分に眼球やまぶたを動かすための筋肉などが集中している、複雑な構造が詰まっています。そのため、各パーツに栄養を届ける毛細血管も数多く存在し、手術中の出血も多めの部位です。
そうした部分の手術になりますので、術後1週間程度の間は腫れた状態になってしまいます。ただし、しっかりと縫合してありますので、洗顔やメイクは手術の翌日から可能になります。
抜糸までは1週間程度かかります。この間に外出の必要がある場合は、サングラスなどで患部を保護されるとよいでしょう。
個人差はありますが、一般的には術後1か月程度で腫れは引いてきます。ただし完全にすっきりと腫れが引いて通常の状態になるまでには2~3か月程度必要になります。
片目に強い眼瞼下垂がある場合、もう一方の目の挙筋はそれを補おうと、過度に緊張する傾向があります。その時、眼瞼下垂の強い側の治療を行うと、反対側の挙筋の緊張がゆるみ、今度はそちら側に眼瞼下垂が起こったような状態になることがあります。これをヘリング現象といい、そのために、術後しばらくの間、左右の目の大きさのバランスがとりにくいといった状態が続きます。
術者がこの状態をある程度想定した手術を行うことで、全体のバランスをとっていくのですが、どうしても、落ち着くまでに数か月を要することになります。
このように、眼瞼下垂の手術では、実際に効果がでてくるまでに時間がかかりますので、その間、ある程度の回数通院が必要になってきます。また、どうしても左右のアンバランスが目立つ場合には、修整手術を行うこともあります。
眉下切除術
まぶたの皮膚が分厚く、加齢とともに重くなって垂れ下がってきた方や、まぶたのたるみでもともと二重だったまぶたが埋もれて一重のようになってしまった方などに適する施術法が眉毛下切除術で、上眼瞼リフトと呼ばれることもあります。この方法のメリットは、術前のお顔の印象と大きく変わった感じがしない点です。
眉毛の下を眉のラインに沿って切開し、眉毛のラインなどを考慮しながら、たるんで余っている部分を切除します。また、まぶたに脂肪が多く溜まっているケースでは、その際余分な脂肪を取り除くことで、よりすっきりとしたまぶたに仕上げることができます。その後、眉毛の下のラインにそって縫合しますが、その際眉毛の持ち上がりを自然に診せるため、眉毛の外側(目尻側)を少し切除することもあります。その場合、眉の部分にアートメイクをされている方は、アートメイクを入れ直す必要があります。
まぶたの皮膚は、目の近くでは薄くしなやかで、眉に近くなるほど分厚く硬くなってきます。そのため、まぶたが元々分厚めの方は、挙筋短縮法を行うと、目の近くの薄い部分を切り取ってしまうことになり、分厚い部分が目の近くにきてしまいますので、眼瞼下垂は治っても、まぶたが重く腫れぼったい印象になってしまいがちです。
しかし、この眉下切除法であれば、薄い目に近い部分を残すことができますので、できあがりの印象は以前のお顔とあまり変わらず、自然なものとなります。
術式が比較的シンプルで、挙筋やミュラー筋などにダメージを与えないため、ダウンタイムは比較的短く、傷口は眉毛に隠れてほとんど目立たないというメリットがあります。
ただし、この術式では、目が開けにくいほど極端な下垂がある方には選択できないというデメリットもあります。
術後の経過
手術翌日から洗顔は可能です。1週間程度で抜糸しますが、術後2週間程度は内出血やむくみがあります。手術痕の腫れがひいて、手術の効果が完全にあらわれるまでは、2~3か月程度を要します。
挙筋短縮術と同様、どうしても左右がアンバランスなってしまうことがあります。はっきりと気になる程度の差が出た場合には、手術の影響が落ち着いた後に、修整手術を検討することもあります。
手術の流れ
1問診・カウンセリング
眼瞼下垂の症状としては、まぶたが重い、目が開きにくいことがあるなどの自覚症状のほか、人から眠そうだと言われて気づくようなこともあります。そのような症状に気づいたら、まずはお気軽にご相談ください。患者様それぞれの状態を見極め、最適の治療法を提案してまいります。
2予約
医師からの説明にご納得いただき、手術を選択された場合は手術日を決定し、ご予約をいただきます。
3事前診察
他の病気が合併していないかなどの確認のため、手術予定日以前に一度、採血および検査を行います。
4手術当日
手術は原則として日帰りで行います。当日は、予約の時間までに余裕をもってご来院ください。お化粧はせず、服装は脱ぎ着の楽な前開きの服をお召しください。またお食事は普通でかまいませんが、手術の2時間前までにはお済ませください。お薬は血液をさらさらにする薬以外はいつも通り服用してお越しください。なお、ご帰宅の際は眼帯をしていただきますので、ご自身での運転によるご来院はお控えいただき、家族の方に送迎をお願いするか、公共交通機関、タクシーなどでご来院ください。
5手術
まず、局所麻酔を行います。細い針を使って極力痛みのないように注射しますので、チクリとする程度で、手術中にはほとんど痛みを感じることはありません。
麻酔がしっかりと効いたことを確認して手術開始となります。術式によって時間は変化しますが、片目で30分、両目で60分程度が一般的です。
手術終了後、患部をアイシングして10~15分程度、リカバリールームでお休みいただきます。状態を確認して異常がなければご帰宅いただけます。
6術後
手術翌日に、ご来院いただき、状態を確認します。それ以前に何か異常を感じた場合には遠慮無くご相談ください。